外来種ウォッチ!~昆虫・クモ編~ - 生物多様性ふくおかウェブセンター

外来種ウォッチ!~昆虫・クモ編~

外来種ウォッチ!~昆虫・クモ編~

「外来種のいろは」「特例外来生物とは」で解説した通り、私たちの身近な場所でも外来種による問題が起きています。

今回のテーマは「外来の昆虫・クモ」です。

彼らは貨物やコンテナなどに紛れ込み、私たちの気づかない間に海外からやってきます。今回紹介する外来種に共通するのは、毒を持ち、刺されると人の健康を害する危険性があることです。また、在来の生き物を襲うなど生態系への悪影響も懸念されています。

「特定外来生物」にも指定されている、身近に潜む危険な外来昆虫・クモの特徴を解説します。

注目の外来生物

① セアカゴケグモ【特定外来生物、福岡県重点対策外来種】

セアカゴケグモの写真

丸い腹部と、その背中側にある赤い帯状の模様が特徴のクモです。人工物の穴やすき間に不規則な形の網を張ります。

日本では1995年に大阪府と三重県で確認されました。貨物や資材に紛れて持ち込まれたと考えられています。福岡市では2007年に初めて発見されて以降、全区で見つかっています。

おとなしく攻撃性は強くありませんが、メスは神経毒を持っています。安易に触ると咬まれる場合があり、激しい痛みが生じます。殺虫剤で駆除できますが、咬傷防止のため軍手をはめるなど、安全策を講じたうえで行いましょう。万が一咬まれてしまった場合は、医療機関を受診してください。

②ヒアリ【特定外来生物、福岡県定着予防外来種】

ヒアリの写真

ツヤのある赤茶色(頭部~腹柄節)と黒褐色(腹部)の体色が特徴のアリです。直径25~60 cm、高さ 15~50 cmほどのドーム状のアリ塚を作ります。

日本では2017年に兵庫県で、コンテナから初めて確認されて以来、各地の港や空港などで確認されていますが、確認地点での防除活動により定着は防がれています。

福岡市内でも2017年、2023年に発見されましたが、初期防除により定着が防がれています。 腹部の針で刺されると激しい痛みを生じます。体質によってはアナフィラキシーショックを起こす恐れがあるため、刺傷後に呼吸困難や意識障害などの症状が現れた場合は迷わず救急車を呼びましょう。

また、本種の影響は健康被害だけではありません。海外では、電気設備に巣をつくって故障させた例や、農作物の食害、家畜の刺傷、在来アリの駆逐など、様々な被害が確認されています。こうした問題を引き起こすヒアリが日本に定着することが無いよう、早期発見・早期防除による定着防止活動が福岡市を含め日本中で取り組まれています。

参考:https://www.city.fukuoka.lg.jp/kankyo/k-chosei/hp/sizenkankyou/har.html

③ツマアカスズメバチ【特定外来生物、福岡県定着予防外来種】

ツマアカスズメバチの写真黒っぽい頭胸部と黄色い足先、オレンジ色の腹部末端が特徴のスズメバチです。巣は球状で、壁に覆われているためハニカム構造(六角形の、いわゆるハチの巣)は露出しません。
日本では2012年に長崎県対馬市で侵入が確認され、定着しました。福岡市では2022年に初めて発見され、初期防除が行われました。これ以降、市内でツマアカスズメバチは確認されておらず、定着は阻止できたものと考えられます。

攻撃性が強く、巣を刺激した場合、執拗に追いかけてくる性質があります。樹木の高い位置に営巣するため、人が近づく機会が少ない点では危険性は高くありませんが、海外ではマンションの壁や電柱で営巣する事例が報告されており、都市部でも注意が必要です。

また、海外では在来のスズメバチを駆逐し、本種が優占種となる例が報告されています。日本における生態系への影響は調査中ですが、在来種とのエサや営巣場所を巡った競合や、他の昆虫類の補食などの影響が生じる可能性があります。

 

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