いきもの観察入門~昆虫編~

どこでも楽しめる!昆虫観察に出かけよう!

昆虫は、これまでに見つかっている生物種のうち、約半数を占めるとされており、海岸から高山に至るまで幅広い環境に生息しています。

普段は気にも留めないような場所でも、よく探してみると昆虫が見つかるかもしれません。

観察道具を準備しよう

①昆虫図鑑

昆虫の種類を調べることができます。分類や生態を知るためには、まずは種名を知ることが大切です。野外ではスマートフォンやタブレットで読むことができる電子版の図鑑も便利です。

②虫とり網

高いところにいる昆虫や、素早い動きの昆虫を採集する際に用います。プロ仕様の物もありますが、ホームセンターなどで入手できる虫とり網でも大いに活躍します。

③その他(あると便利なもの、上級者向けのもの)

・観察容器
市販の昆虫用プラケースはもちろん、透明なタッパーや小物入れなど、目的の昆虫の大きさに合わせて用意しておくと、観察の際に便利です。

・カメラ、スマートフォン
写真を撮影して記録を残すことができます。あとから昆虫の種類などを調べるときの参考にもなります。スマートフォンは位置情報の確認や、緊急時の連絡手段としても役立ちます。

・メモ帳、筆記用具
見つけた昆虫や発見場所、日付などを記録しておくと、次回の観察の時の参考になります。

・懐中電灯、ヘッドライト
夜間や暗い場所での観察には必須のアイテムです。ヘッドライトを使うと採集時や観察時に両手を使うことができ便利です。

・ルーペ(虫眼鏡・観察用レンズ)
小さな昆虫や、細かな部位を観察する際に用います。

服装:野外で活動するため、動きやすい服装や帽子、スニーカーなどの歩きやすい靴を着用しましょう。肌を傷つけやすい植物や、虫刺されへの対策として、長袖、長ズボン、長めの靴下がおすすめです。植物や落ち葉に触れる場合は、軍手を着用するとケガの防止につながります。

観察場所を選ぼう

昆虫は食べ物や産卵場所によって生息する場所が異なります。目当ての昆虫がいる場合は、その昆虫に合った場所を選びましょう。同じ場所に何度も通うことで、新たな発見ができる場合もあります。

①公園(都市公園や自然公園)

タヌキの親子

写真提供:福岡市

公園では、植物の種類や、池や川の有無によっても見られる昆虫が異なります。まずは近所の公園にどんな昆虫がいるか観察してみましょう。

 

【観察できる昆虫の例】

シオカラトンボ、ショウリョウバッタ、クロオオアリ、ヤマトシジミ など

【観察のポイント】
身近な公園は、最も手軽に昆虫観察を楽しめるスポットのひとつです。 日中は、草むらや池の周りにいるバッタやトンボを探してみましょう。夏の夕暮れ時には、土の中から出てきたセミの幼虫が、羽化(うか)して成虫になる瞬間に立ち会えることもあります。

また、チョウの仲間の多くは、幼虫の期間を特定のグループの植物だけを餌(食草)として過ごします。あらかじめ幼虫が食べる植物を調べておけば、「卵→幼虫→蛹(さなぎ)→成虫」という成長のプロセスを、季節を通して観察できるかもしれません。

セミの羽化の様子

アゲハチョウの幼虫

 

②河川、池沼

タヌキの親子

写真提供:福岡市

水辺では、水の温度やその流れによって昆虫の種組成が異なります。また、水域の周りの環境にも大きな影響を受けます。

 

【観察できる昆虫の例】

アオイトトンボ、ギンヤンマ、ヘイケボタル、

ミズカマキリ、ナミハンミョウ など

【観察のポイント】
河川や池沼の周辺は、水辺を利用する昆虫を観察する絶好のポイントです。例えば、トンボの仲間は1つの池に複数の種類が生息していることが多いです。今まで「トンボ」という大きな括りで見ていた昆虫も、じっくりと観察することで翅や体の模様が様々であることに気づきます。

上級者向けではありますが、釣具店などで売られているたも網を用いることで、水中に生息している昆虫を観察することができます。水草や抽水植物(水中に根を張り、茎や葉を水面の上に出す植物)が生えている場所をたも網で探ると、ミズカマキリやゲンゴロウ、トンボのヤゴなど、水域に依存して暮らすカメムシやコウチュウ、トンボの仲間を採集できることがあります。

※水辺はケガや転落などの危険があります。そのため、明るい時間に下見を行い、行動する際は大人でも複数人で安全を確保しましょう。

翅の斑紋が先端から離れるミヤマアカネ

翅の斑紋が先端まであるリスアカネ

 

③畑地、草地

タヌキの親子

写真提供:福岡市

普段の生活では、畑地や草地に目を向けることは少ないかもしれません。しかし、ここは開けた環境を好む昆虫を観察できる絶好のスポットです。

 

【観察できる昆虫の例】

モンシロチョウ、ツチイナゴ、オオカマキリ、ナナホシテントウ など

【観察のポイント】
畑地や草地は日光をさえぎるものが少ないため、夏の日中は非常に暑くなります。安全かつ快適に観察するためには、気温が高すぎない朝方の時間帯がおすすめです。草むらで虫とり網をすくうように振るうと、普段は見落としがちな昆虫が見つかることがあります。

畑周辺の様々な草木が生育する環境では、これらの植物に餌を依存するバッタやチョウの仲間に加え、それらを捕食するカマキリの仲間などを観察することができます。

また、秋になるとキリギリスやコオロギの仲間など、「鳴く虫」に出会えます。鳴き声に耳を澄ませると、彼らの声が多様であることに気がつきます。その豊かなバリエーションに意識を向けることで一味違う秋を楽しめます。

草むらのショウリョウバッタ

花の蜜を吸うアオスジアゲハ         

 

④樹林

タヌキの親子

写真提供:福岡市

樹林では、生育する樹木の種類や季節、地域、標高などによって生息する昆虫は様々です。
同じ森林内でも、暗い林床と、林縁や林道沿いなど明るい環境では生息する昆虫が異なります。

【観察できる昆虫の例】

ナナフシモドキ、ヤマトタマムシ、コクワガタ、ゴマダラチョウ など

【観察のポイント】
樹林の昆虫というと、クワガタムシやカブトムシの仲間を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。これらの昆虫以外にも、夜の樹液にはキマダラミヤマカミキリやヨツボシケシキスイなど魅力的な昆虫が多く集まります。

夜間の採集で重要なポイントのひとつが、明るい時間帯の下見です。クヌギやコナラ、アカメガシワなど、樹液を求める昆虫が集まりやすい樹木を事前に探すのはもちろん、倒木などの危険な箇所を事前に確認しておくことも大切です。

また、時間帯ごとに集まる昆虫の変化を観察しても面白いでしょう。

樹林の中心部だけではなく、実は林縁や林道付近も絶好の観察ポイントです。
ここではナナフシやカマキリなど、周りの景色に溶け込む「擬態(ぎたい)」が得意な昆虫がよく見つかります。
特に、林道の手すりなどの人工物の上に注目すると、植物の上では見つけにくい昆虫がしばしば目にとまります。

植物の枝に擬態するナナフシの仲間

  人工物の上だと見つけやすい

 

マナーを守って観察しよう

昆虫のくらしを守り、観察を長く楽しむために、以下のマナーを守りましょう

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