いきもの観察入門~川のいきもの編~
川のいきものを観察しよう
川には、流れが速く酸素が豊富な「瀬」や、流れが緩やかで水深のある「淵」など、多様な環境があり、それぞれの環境に適応した昆虫、魚類、鳥類などのいきものが生息します。
川へ出かけ、いきものを観察してみましょう。
観察道具を準備しよう
①バケツ・白いトレイ(バット)・観察ケース
捕まえたいきものを観察するために使用します。底が白く平らなトレイに水を張ると、体色や形態を観察しやすいです。
②網(タモ網・川虫網)
石の裏や砂の中にいるいきものを捕まえるために使います。下流側に網を構え、上流側の石を動かしたり川底を足でかき混ぜたりして、流れてきたいきものを捕獲します。ザルやふるいで代用することもできます。
③その他(あると便利なもの)
・ピンセット、スポイト、ルーペ
ピンセットやスポイトは、小さないきものを扱う際に用います。また、ルーペを用いて体の細部を観察すると、肉眼では区別が難しい種類を見分けられることもあります。
・地図、記録用具
場所の確認や、見つけたいきものを記録するために使います。水濡れを防ぐため、ビニール袋などに入れて持ち歩きましょう。
服装
川の石や川底はコケや藻類などで滑りやすいです。怪我を防ぐため、ウェーディングシューズなど、滑りにくい靴を使用しましょう(脱げやすいサンダルは不向きです)。また、熱中症や虫刺され、植物によるカブレを防ぐため、帽子・長袖・長ズボンの着用をおすすめします。
観察場所を選ぼう
水質や流れの速さ、周辺環境によって、生息するいきものの種類は異なります。
写真提供:福岡市
①渓流・上流の川
水が透明で冷たく、川底に石が多い場所です。
石の隙間には、酸素がたくさん溶け込んだ水を好むサワガニや、カワゲラ、ナガレトビケラの幼虫などが生息しています。
写真提供:福岡市
②中流の川
上流部と比べて少し濁りがあり、流れが緩やかな場所です。
カワニナや、それを食べるゲンジボタルの幼虫が生息します。オイカワやカワムツなどの魚類もこのような環境でよく見られます。
写真提供:福岡市
③水田・用水路
春から初夏にかけて水が入った水田は、この時期だけの観察スポットです。
仰向けに泳ぐホウネンエビや、甲羅を持つカブトエビなど、ユニークな姿のいきものを観察できます。
写真提供:福岡市
④下流・都市部の川
有機物が多く、流れが緩やかな場所です。
泥底を好むアメリカザリガニやミズカマキリ、泥で巣を作るユスリカの幼虫などが生息しています。コサギやアオサギなどの鳥類も集まります。
ここに注目してみよう
トレイの上などでいきものの形や動きをじっくり観察すると、その生態や生息環境が見えてきます。
①流れに適した体の形
流れの速い場所に生息するいきものは、流されないように工夫された体つきをしています。
ヒラタカゲロウの幼虫は、体が平べったく(扁平)、水の抵抗を減らして石の表面に張り付きます。アミカやブユの幼虫は、体に吸盤を持ち、急流の中でも岩や植物にしっかりと固着します。
身体全体が平たいヒラタカゲロウの幼虫
②巣のバリエーション
トビケラの幼虫は、種によって異なる巣を作ります。
ヤマトビケラなどは砂粒や小石をつなぎ合わせて持ち運びできる筒状の巣を作りますが、ヒゲナガカワトビケラなどは石の間に網を張り、流れてくる餌を捕食するための固定巣を作ります。巣の材料や形にも注目してみましょう。

砂粒などをつなぎ合わせた巣をつくるトビケラの仲間の幼虫
③水質を判定する「指標生物」
水質に敏感に反応する「指標生物」の種類を調べることで、その川の水質の良し悪し(汚濁の程度)を簡易的に判定できます。
サワガニやヘビトンボが多く見つかれば「きれいな水」、ミズカマキリやヒルが多ければ「汚れた水」である可能性があります。どんないきものがいるかで、川の水質状態を知ることができます。
国土交通省のWebサイトでは、川のいきものと水質について詳しく紹介されています。
きれいな水の指標とされるサワガニ
きたない水の指標とされるミズカマキリ
マナーを守って観察しよう
川での観察は危険を伴う場合があります。安全といきものへの配慮のため、以下のルールを守りましょう。





