秋のお月見いきもの探し その1
お月見の夜、見上げる空と足元のいきものたち
秋の夜長、月を愛でる「お月見」の季節は、夕暮れから夜にかけて活動するいきものたちを観察する機会でもあります。時間帯に応じて、身近なさまざまないきものの生態が観察できます。

夕暮れに大集結⁉トンボの黄昏飛翔
日の出前や日の入り前の薄暗い時間帯、空を見上げるとヤブヤンマやギンヤンマなどの大型のヤンマ類が大きな群れで飛んでいることがあります。
これは捕食のための「黄昏飛翔(たそがれひしょう)」と呼ばれる行動です。餌となる小さないきものが動き始める早朝や夕方に合わせて一斉に飛び立ちます。獲物を捕らえる機会が増えるわずかな時間帯に活発になる行動です。
黄昏飛翔を行うヤンマの仲間には、上空高く飛ぶことの多いマルタンヤンマや、低空を飛ぶカトリヤンマなどがおり、複数種が混ざって飛翔する様子が観察されることもあります。飛んでいる高さや身体のシルエット、翅の色などが種類を見分ける手掛かりになります。
黄昏飛翔を終えたヤンマ類は、樹木や草むらで休息します。
黄昏飛翔を行う種の例 オオルリボシヤンマ
カトリヤンマ
草むらの風物詩「ススキ」と「鳴く虫」
お月見の飾りに欠かせないススキは、水辺の草地などでよく見かける植物です。ただ、実はススキとそっくりな「オギ」という植物も生えており、みなさんがススキだと思って見ているものは、もしかするとオギかもしれません。 この2種は次のポイントで区別できます。
ススキ
オギ
また、秋には、草むらからさまざまな虫の声が聞こえてきます。日本では古くから鳴く虫の声を鑑賞する「虫聴き(むしきき)」の文化があり、平安時代の貴族の遊びに始まり、江戸時代には庶民の行楽として定着しました。
秋に鳴く昆虫の多くは、オスが音を使って求愛や縄張りの主張を行います。日没頃から鳴き始めることが多いため、特に夜間は複数の声が重なって聞こえます。
♪ コオロギのなかまの鳴き声
お月見は空を見上げる行事ですが、その足元や身近な草むら、水辺にも月と関わりのあるいきものたちが暮らしています。今年の秋は、月を眺めるだけでなく、身近な自然にも目を向けてみませんか。
また、その自然を守るために、身近にできることを考えてみましょう。




