外来種のいろは
普段目にするいきもの、
いつからふくおかにいるのか知っていますか?
道端のクローバー、公園の大きなカエル。みなさんは、普段目にするいきものが、いつからふくおかに生息しているのかご存知ですか?
身近ないきものの中には、もともとその場所に生息していなかったにも関わらず、人間の活動によって別の場所から持ち込まれたものが存在します。
このようないきものを「外来種」と呼びます。
外来種という言葉を見ると、海外から来たいきもの(国外由来の外来種)を思い浮かべがちですが、日本国内のある地域から、もともといなかった別の地域に持ち込まれたいきもの(国内由来の外来種)も、外来種に含まれます。
代表的な外来種として、ウシガエルやアライグマの名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

どのような理由で侵入するのか?
ペットや展示用、食用、研究などの目的で輸入されています。一方、荷物や乗り物などにまぎれ込んだり、付着して持ち込まれたものも多くあります。
これらは、意図的、非意図的の違いはありますが、人間の活動にともなって日本に入ってきているという点で共通しています。
ただし、海流に乗って流れついたり、台風で飛ばされたりして、自然の力で移動してきたものは、たとえ海外から来たとしても外来種とは呼びません。

なぜ今、外来種について考えるのか
外来種が新しい場所にやってきても、必ずしも定着できるわけではありません。もともとそこに住んでいたいきものとの競争に負けたり、環境になじめなかったりと、その多くは子孫を残せずに姿を消してしまいます。しかし、中には定着に成功する種も存在します。
例えば、クローバーとしておなじみのシロツメクサも外来種の一種です。
江戸時代、オランダからガラス製品を運ぶ際、割れないように箱に敷き詰める緩衝材として用いられていたのが、乾燥させたシロツメクサでした。(白い詰め物の草、だから「シロツメクサ(白詰草)」)
その後、牧草などとして利用されるうちに全国へ広がり、今では公園などでもおなじみの植物となりました。

かつては、人間や物の移動に時間がかかり、運ばれるいきものの数も限られていました。
しかし現代は、飛行機や大型船の発達により、移動のスピードと量が劇的に増加しています。
その結果、外来種となり得るいきものが意図せず持ち込まれる機会が増加し、新たに定着するリスクが高まっています。

外来種の問題点
生物多様性について考えるとき、種数が多ければよいと考えがちです。外来種が入ってくることは、いきものの種類が増えて良いことに感じるかもしれません。確かに、単純に「その場所に何種類のいきものがいるか」という数だけを見れば、外来種も1種類として数えられます。
しかし、種数が多いことが必ずしも良い生態系であるとは限りません。生物多様性には「生態系の多様性」も含まれています。重要なことは、それぞれの地域に固有の環境条件に応じて形づくられてきた生態系が保たれていることです。
外来種を持ち込むことは、長い年月をかけて築かれたその地域本来の生態系のバランスを崩します。これは「生物多様性を脅かす4つの危機」のうち、「第3の危機(人間により持ち込まれたものによる危機)」として位置づけられる重大な問題です。
実際、外来種が持ち込まれた結果、地域固有のいきものが暮らせなくなることも少なくありません。
外来種がもたらす問題は、このような生態系への悪影響も含めて大きく以下の3つがあります。
①生態系への影響
・在来種を食べる
・生息場所や食べ物を奪い合う
・交雑により雑種が生まれ、純粋な種が減少する
・営巣などにより、他のいきものの生息に適さない環境に変えてしまう
②人の生命・身体への影響
・噛む、刺すなどの危害を加える
・感染症を媒介する
③農林水産業への影響
・農作物・家畜・養殖生物・樹木などを食べたり、傷つけたりする。
・山菜・キノコ・水産資源などの自然資源を食べたり、損なったりする。
・網や罠などの漁具・農具、畑や果樹園などの施設を荒らす・破壊する。
私たちが守りたいのは、単に「緑がたくさんある風景」や「都合の良いいきものが生き残る世界」ではありません。その土地の気候や地形の中で、長い時間をかけて育まれてきた、そこ(ふくおか)にしかない独自のいきもの同士のつながりです。
一度失われた遺伝子や生態系のバランスは、二度と取り戻すことができないため、これ以上の喪失を防ぐための行動が必要です。
私たちにできること「外来種被害予防三原則」
豊かな生物多様性を守るために、国では3つの原則を定めています。私たち人間が招いた事態だからこそ、私たちの行動で食い止める責任があります。

まず私たちにできることは、誰もがこの問題の当事者になり得ることを自覚し、正しい知識を持つことです。
例えば、飼えなくなったペットを自然に帰そうと野外に放してしまうと、その場所の生態系に悪影響を及ぼすことがあります。いきものとしっかり向き合い、責任ある行動をとることが、結果として自然を守ることにつながります。
もっと知りたい方へ
生物多様性ふくおかセンタ-では、外来生物法に基づき指定された「特定外来生物」や、市内で確認されている外来種を紹介しています。
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