ごまさば(サバのゴマ醤油)
冬が旬!福岡名物「ごまさば」
福岡名物として有名な「ごまさば」。
サバの刺身にゴマをあえたもので、ワサビ醤油のほか、好みでカボスなど柑橘類を落として食べます。
数字をごまかすことを「さばを読む」と言いますが、これは昔、サバを数える時に、鮮度が落ちないようにと急ぐあまり、いい加減な数え方をしたことに由来するという説があります。
このエピソードからもわかるとおり、サバはとても傷みやすいため、多くの地域では生で食べることはせず「しめさば」などに加工・調理した状態で食べられてきました。
サバを刺身で美味しく食べられるのは、新鮮な魚が手に入る福岡市ならではです。
![ごまさば](https://seibutsutayousei.city.fukuoka.lg.jp/cms/wp-content/uploads/2025/01/63a8a0c6e2d41ea7ed1743f5f8d19b6a-scaled.jpg)
サバの刺身をゴマ醤油でいただく「ごまさば」(写真提供:福岡市)
「ごまさば」だけどマサバ
日本で水揚げされるサバには、マサバとゴマサバの2種類があります。福岡の名物料理「ごまさば」に適しているのは、実はゴマサバではなくマサバです。マサバは、ゴマサバに比べて身の水分量が少なく、ねっとりとした、濃厚な味わいがあります。
マサバとゴマサバの見た目はよく似ていますが、マサバのお腹は真っ白なのに対し、ゴマサバのお腹には胡麻のような斑点があることで見分けられます(ただし個体差があります)。
![マサバ(上)とゴマサバ(下)](https://seibutsutayousei.city.fukuoka.lg.jp/cms/wp-content/uploads/2025/01/716805410b0f8374cbf98ccfb26a600c-1.jpg)
マサバ(上)とゴマサバ(下)
マサバはこんないきもの
マサバは世界中の亜熱帯・温帯海域に広く分布しており、日本でも、暖流に沿った海域を中心に列島周辺全域に生息します。
肉食性で、小さなうちは動物性プランクトンを食べて成長し、大きくなるとアジやイワシなどの小魚やイカ類、オキアミ類などを食べます。大群をつくり、春夏は北へ、秋冬は南へと回遊を行います。
夏の間、北の海でたくさんエサを食べ、秋になって越冬・産卵のため九州沿岸に戻ってきたマサバには脂肪がたっぷり。福岡市の「ごまさば」が秋〜冬に特に美味しいのは、そのためです。