油山の空に注目!ハチクマの秋の渡り
福岡市の油山でハチクマの渡りを観察しよう
ハチクマは、両翼を広げた長さが130センチメートルになる大型のタカです。 夏の間は日本の里山で子育てをし、秋になると、越冬のため東南アジア方面へ1万キロの旅をします。 ハチクマ
福岡市南部の油山にある片江展望台は、ハチクマの渡りが観察できる日本有数のスポットです。
渡りのピークは、例年、9月20日過ぎから10月上旬まで。 良く晴れた風の弱い日がおすすめです!
運が良ければ、数羽〜十数羽の個体が上昇気流に乗って舞い上がる「鷹柱」に出会えるかもしれません。
下記ウェブサイトでは、例年のハチクマ飛来数をグラフで確認することができます。

ハチクマはどこから来て、どこへ行く?
ハチクマの渡りのルートは、鳥に送信機を装着する衛星追跡という手法によって調べられてきました。
ある個体の例だと、9月19日に長野県(繁殖地)を出発した後、10日ほどかけて五島列島まで移動(この途中に、福岡市上空を通ったかもしれません!)。
その後日本を出て、9月末には中国に上陸。さらにベトナム、ラオス、タイ、ミャンマー、シンガポール、インドネシアと、アジアの国々を移動し、11月9日にジャワ島西部の越冬地に到達したということです。
計52日間、総延長移動距離は9585 kmの長旅です。
今年の秋は、世界に羽ばたくハチクマの旅路を、油山から応援してみませんか?

【参考文献】
樋口広芳氏「鳥たちの旅 渡り鳥の衛星追跡」NHKブックス1038
あぶらやま野鳥ブログ
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